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動機づけ面接(MI)とは

動機づけ面接(MI)とは

動機づけ面接(Motivational Interviewing,MI)とは、ニューメキシコ大学臨床心理学名誉教授ウィリアム・R・ミラー(英語版)、カーディフ大学臨床心理学教授ステファン・ロルニック(英語版)が主になって開発したカウンセリングアプローチであり、クライエント中心かつ目的志向的な面接のスタイルによってクライエントのアンビバレンス(相反する感情や態度)を探り、それを解消する方向に行動の変化を促していく技術である。アルコールに関する問題を抱えるクライエントへの面接技法を研究する中で、良い結果が得られた治療者の面談スタイルを実証的に解析することで、アルコール依存症の治療法として開発され、体系化された。近年は医療分野のみならず、さまざまな領域に応用され、その効果を示すエビデンスが蓄積されてきています。ダイエットや運動に関しても研究がされています。他の非指示的なカウンセリングと比べると、MIは焦点を絞り,目標志向的です。アンビバレンスの探索と解消が中心的な目的であり、カウンセラーは、このゴールを求めて意図的に指示的であるのが特徴です。クライエントの中から動機づけを呼び覚まし、自ら行動を変えることを促進できると考えられていて、クライエント中心かつ準指示的な面接スタイルです。


歴史と効果

1970年代から問題飲酒に対するアプローチとして研究がはじまり、William R. Miller博士とStephen Rollnick博士によって 1991年に基本的な考えとアプローチ、臨床的な手続きがまとめられた。

PubMedとPsychINFOにてタイトルにこれらの言葉がある文献を2006年3月時点にて検索すると、MIは241件である。MIに関連する論文数は上昇中であることが分かります。対象は当初のアルコール問題から現在はプライマリケアや公衆衛生にまで広がっています。

 

 図1 MIに関する年ごとの論文数の推移

図1 MIに関する年ごとの論文数の推移

 

図2 各領域におけるエフェクトサイズ

図2 各領域におけるエフェクトサイズ

 

 

MIスピリット

MIのスピリットをまとめると、

協 同
患者とパートナーシップを結び,話し合いながら進む;交渉する
喚 起
語るよりも聴く,教え込むよりも引き出す
受 容
変化するかどうか,またいつどのように変化するかを決めるとき,患者の自律性や能力を尊重する
思いやり
他者の幸福を優先することに価値をおく,患者の側に立つ

 

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実例

実際の面接の例
症例は、40代、男性会社員である。受診時主訴は対人不安であった。

 

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